VISUALのプロトコールを公開しています。
Kondo et al., 2014; Nat Commun
Kondo et al., 2015; Mol. Plant
Kondo et al., 2016; Plant Cell
を引用して頂ければ幸いです。
道管二次壁蛍光指示薬BF-170については、
Nurani et al., 2020; Plant Cell Physiol.
を引用してください、Sigma-Aldrichより購入できます。
VISUAL-CCについては
Tamaki et al., 2020; Communs Biol.
を引用してください。方法はサプリメントに記載されています。
■植物育成(VISUAL誘導前)
液体培養培地1/2 MS Sigma (2.2 g/L)
1% Sucrose
MES(0.5 g/L)
pH5.7 (KOHで調整)
種を滅菌し、4℃で2日間低温処理をおこなう
6穴プレートに10 mLの水耕培地をいれ、10粒程度の種を入れる
そのまま22℃で6-7日間Continuous Light (45–55 μmol m-2 s-1)・110rpmで浸透し生育させる。
本葉が少し見える程度にまで成長すればVISUAL分化誘導に最適なタイミングとなる。
■VISUAL誘導
VISUAL培地1/2 MS Sigma (2.2 g/L)
5% Glucose
pH5.7 (KOHで調整)
ホルモン・化合物調整
1/2000 終濃度:2,4-D (1.25 mg/L) EtOH + 水で溶解
1/2000 終濃度:Kinetin (0.25 mg/L) 0.1 M KOHで溶解
1/1000 終濃度:10 uM Bikinin 小分けに分注する(1,2回分を目途に)
Stockは-20℃保管 (2,4-DとKinetin)、-80℃保管 (Bikinin)
オートクレーブ後、VISUAL培地にホルモンと化合物を加える。
12穴プレートに2.5 mLの培地を分注する。
液体培地で育成した芽生えをピンセットで軽くばらし、
ピンセットや解剖ばさみを用いて胚軸の真ん中で地上部と地下部にきりわける。
切り分けた地上部を傷つけないように分注したウェルに移していく。1ウェル3,4個体までいれられる。
22℃で4日間Continuous Light (60–70 μmol m-2 s-1)・110rpmで誘導をおこなう。
うまくいかない場合はBikininがへたっているケースが多い。また、bikininの濃度を20 µMにあげたほうが分化誘導の頻度、速さが向上する。
*Lerアクセッションはあまり分化しない。他のアクセッションや植物で情報をお持ちの方はお知らせ頂けますと幸いです。
■道管二次壁染色
BF-170をDMSOに溶解し、20 mMのstockを作成する。(stockは-20℃保存)
VISUAL培地にホルモンと化合物を加えた後、BF-170を終濃度10 µMになるよう加える。
この際、分化誘導液が若干黄色くなる。
4日間のVISUAL誘導後、蛍光実体顕微鏡もしくは実体顕微鏡を用いて観察をおこなう。市販のUV・CFP・GFP・YFP用のフィルター/ダイクロイックミラーを用いると道管細胞の輪郭を簡単に可視化できる。酢酸エタノールによる固定・脱色や透明化とも合わせて使うことができる。